KURENAI NO SYSTEM
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損益分岐点

 どのように投資をしたら良いか以下のケースで考えてみる。
-ドル円の1つの売りまたは買のポジションに投資する。
-14銭(0.14円)上がった、または下がった時ポジションを閉じ勝ち負けを決める。

ドル円の為替の取引の場合0.01円をスプレッドとして勝って13pips、負けて15pipsとなる。
勝率53%の場合 0.13 * 53% - 0.15 * 47% = -0.0016
勝率54%の場合 0.13 * 54% - 0.15 * 46% = +0.0012 となり、損益分岐点は54%となる。
ちなみに、1トレード当たりの期待収益額は元本100に対し、勝率60%の時+0.018、勝率65%で+0.032、勝率70%で+0.046となる。


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ポジションサイジング

 ポジションサイジングとはトレードで大事な要素の一つで、「1回の取引にいくら使うのか」ということ。
毎回いくら投資をすれば最も多くなっているか考える。

「勝つ確率が60%のコンピューターゲームを100回してもらう。手持ちの掛け金は1000ドルずつで、毎回好きなだけ賭けてよい。どの人も、資金管理がこの種のゲームに与える影響についての知識はない。」

n回目の単位賭け金あたりの勝ち分をe(n):とおく
P(e(n)=+1) =p,P(e(n)=+1) =q, p>q, p+q = 1として
C(n):n回目の賭け金(0<= C(n) <=Z(n-1))
Z(n):n回目を終えた後の財産
Z(n) - Z(n-1) = C(n)*e(n) という式ができる。
F(n) = σ(e(1),...,e(n))
E(log(Z(n))|F(n-1)) = E(log(Z(n-1))|F(n-1)) + E(log(1+C(n)e(n)/Z(n-1))|F(n-1)
となるが、第2項はf(x) = plog(1+x) + qlog(1-x)とおくとf(C(n)/Z(n-1))である。
今、0<=x<=1のもとでf(x)はx=p-qで最大値a(a= plogp+qlogq+log2)をとるため、
Y(n)=log(Z(n)) - n*aとおくと、E(Y(n)|F(n-1))<=E(Y(n-1)|F(n-1))となり、優マルチンゲールである。
常にp-q=C(n)/Z(n-1)を満たすようにC(n)を決定すればよい。

最適解は全財産の(p-q)*100%=(60-40)%=20%を賭け続けることである。




「ケリーの公式」 F=〔(R+1)×P-1〕÷R

勝てば賭け金のR倍がもらえ、負ければ賭け金が全て没収というゲームで、勝率をPとする。
上記の例ではF=( (1+1) * 60% - 1 ) / 1 = 20%

しかし、収益を最大化しようとする事は、言い方を変えれば限界までリスクをとる事を意味します。


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破産の確率

【賭け金が一定の場合】

勝つと a 円もらえ、負けると b 円失う賭がある。勝つ確率を P とする。
あなたは、現在、n 円持っている。
この賭を際限なく繰り返すとき、破産する(所持金が0以下になる)確率はいくらか。

まず損益比 R を R=a/b で定義します。
0<x<1 の範囲における、次の方程式の解を S とします。

このとき、次の評価式が成立します。

n/b と R がともに整数の場合は、右辺の等号が成立します。つまり、破産の確率=Sn/b です。

【賭け金が一定の比率の場合】

賭け金を一定にするのではなく、資金に対して一定の比率で賭けていく場合はどうでしょうか。
つまり、その時点の資金を A 円とするとき、一定の比率 k (0<k<1)を用いて、勝てば R×k×A 円儲け、負ければ k×A 円損するように賭けるとします。

たとえば、損益比 R(=利益÷損失)が 2 とします。k=0.1 なら、常に資金の 10%をリスクにさらします。資金 100万円なら、負けは 10万円の損、勝ちは 20万円の得となるように賭け、それに勝って資金が 120万円になれば、次は、負けは 12万円の損、勝ちは 24万円の得となるように賭けるわけです。
はじめの資金を A0 円とし、資金が B 円以下になったら破産とします。

【注】 定率の場合、破産基準の B 円の設定は不可欠です。なにも条件を課さないと、たとえば k=0.5 の場合、残金が1円でも 0.5円を賭け、それに負けると次は 0.25円を賭け、さらに負けても 0.125円を賭け … と次々に小さな金額を賭けてくるので、いつまでたっても破産しません。



W 回勝って、L 回負けたとき、資金が B 円以下になって破産する条件は、次の式です。



対数をとって変形すると次のようになります。



a、b、n を次のように定義します。



損益比 R(=利益÷損失)は利益=1.3、損失=1.5で損益比 R=0.866
k=(投資率)、P=(勝率)、資産が10分の1に減少した時点で破産としたときの不等式における破産の確率の上限は以下の表のようになる。

 (不等式における破産の確率の上限)



勝率60%の時、7.5%をリスクにさらした場合の破産確率は0.197%500人に1人資産を失うことになる。安全とは言えない。

同様に勝率60%のとき、5%をリスクにさらした場合の破産確率は0.0003%以下となる。この場合、元本100万円の投資資金は1回目の投資は5万円負けることが許される投資を行うことができる。

想定投資元本 * 15BP(損失率) = 5万円(損失額)

想定投資元本 = 3,333万円 つまり100万円に対し33倍のレバレッジをかけることになる。



結論としては勝率60%で損益比(利益=1.3 / 損失=1.5)の場合、25倍のレバレッジをかけて資産の5%をリスク(1回の取引による損失額)にさらす投資を行うことは安全である。

ただし、「ケリーの公式」F=〔(R+1)×P-1〕÷R(F = ( (0.866 + 1) * 60% -1 ) / 0.866 = 13.81%)から算出される効率的な投資は13%であることを鑑みると効率は悪くなる。

したがって、5%~13%でリスクに応じ投資額を決定することが効率的であると判断できる。


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